図書コーナー 6月「今月のおすすめ本」

『京都狛犬巡り』
(小寺慶昭 / ナカニシヤ出版)

 著者は、狛犬の魅力にハマり、『全国神社名鑑』に記載されている京都府内2,103社全ての神社を調査し狛犬データを集めてました。
そして、東京に多く現存する古いものを【江戸狛犬】、大阪のものを【浪花狛犬】とするなら、京都に【都狛犬】がいないわけがない!という考えに至り、京都府宇治市から【都狛犬】を探す狛犬巡りの旅を始めます。
ところが、確信をもって【都狛犬】と呼べる犬に中々出会えず、見込みはずれだったか…と失望の著者。しかし北海道の小樽にて他地方でよく見かける狛犬と出会い、北海道には諸事情で全国の狛犬が集まって来ているのではないか…もしやこれは京都でも同じことが考えられるのでは!?とひらめいた著者は、京都に戻り南丹地方から丹後まで京都府中の狛犬巡りの旅を再開、膨大なデータを集めます。

 京都府で一番古い狛犬は?一番大きい狛犬は?狛犬がたくさんいる神社は?…
様々な狛犬研究データを集めたこちらの図書は、『狛犬研究書』ではなく『狛犬と神社を楽しむためのガイドブック』として是非ご活用ください。